HAIMAME TALK

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韓国ベストセラー!『アーモンド』感情をもたない少年の軌跡

 

こんにちは、ハイマメです☺︎

自分の中で、少しずつ活字ブームが低下しているのを感じます。 

そんなわけでしばらく読書から遠ざかるかもしれないなら・・・と、読むかどうか迷っていた本『アーモンド』を読みました。

案の定、やっぱり読んでよかった。

人間の純粋さ、未知なる可能性に感動しました。

 

アーモンド

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主人公のユンジェは、生まれつき扁桃体(アーモンド)が人より小さいのが原因で”感情をもたない”少年だった。

母と祖母はそんなユンジェの将来を心配し、なんとか”ふつう”に見えるよう教育しつつ温かく見守っていた。

そんなある日、母と祖母が通り魔に襲われる。

残酷な現場を目撃したユンジェだったが、恐怖も悲しみも感じることなくただ見つめているだけだった。

 

母と祖母を失うも、近所のシム博士の助けでユンジェは高校に入学する。

失感情症をいじめられることもなく淡々と過ごしていた矢先、転校生ゴニに遭遇する。

ゴニと出会ったことでユンジェの人生は徐々に変化しはじめ・・・ついには事件に巻き込まれることに。

 

 

一言で言うと、この物語は、怪物である僕がもう一人の怪物に出会う話だ。でもその結末が悲劇なのか喜劇なのかをここで語るつもりはない。

(中略)

実際の話、どんな物語でも、本当のところそれが悲劇なのか喜劇なのかは、あなたにも僕にも、誰にも永遠にわからないことだから。

 

アーモンド プロローグより抜粋

 

 

感想

どこにでもあるような韓国の人々の生活が描かれています。

なのに、こんなにも感情を揺さぶられ深く考えさせられるなんて。

SNSが日本より深く浸透しているところも興味深い。

物語の様々な場面で交わされる人と人との会話や感情・行動に、永遠の神秘にも近い謎のヒントをもらえるような言葉たち。

これを表現できるのが真の作家なのかもしれない。

言葉に表さないけれどわたしたちが感じているであろう哀しみや辛さが、的確に示されていて思わず涙がこみ上げてきました。

そういった物語の展開のほか、含蓄のある言葉も印象的です。

 

 

「親は子供に多くのことを願うものさ。でもそれがだめなら、平凡を願うんだよ。それがまずは基本だと考えるからね。ところがだ、平凡というのは、実は一番実現するのが難しい目標なんだ」

 

でもそうすると、すべてのことは意味を失う。嫌な思いをしない、辛い思いをしたくないと言う目的だけが残る。おかしなことに。

 

「遠ければ遠いでできることはないと言って背をむけ、近ければ近いで恐怖と不安があまりにも大きいと言って誰も立ち上がらなかった。ほとんどの人が、感じても行動せず、共感すると言いながら簡単に忘れた」

 

アーモンド本文より抜粋

 

無駄な飾りのない文章が心地良くあっという間に引き込まれ、ときには耳が痛い言葉が心に突き刺さったりして。

子供は純粋だというのにはもちろん同感だけど、子供に限らず大人にも純粋のかけらはあるとしみじみ感じました。 

わたしにとってこの作品は希望ある喜劇。

また良い本とめぐりあえました。

 

ではまた。