こんにちはハイマメです。
大阪南港ATCギャラリーで開催されている『バンクシー展・天才か反逆者か』に行きました。
横浜での口コミを見てやや心配していましたが、行ってみたらやっぱりよかった!
バンクシーの様々なアート作品にすっかり魅了されてしまいましたよ。
バンクシーの貴重な現代アートが見られる機会なのでおすすめです。
※ただし世界各国で開催されているバンクシー展について、本人のものとされる公式サイトでは「同意したものではない」と明かしているようです。
バンクシー自身が関わっていないということで「それなりに見てほしい」とし、それらの展示会を「フェイク」だと揶揄しています。
バンクシーとは何者?
バンクシーとは、現代のアートシーンにおいてもっとも有名で、物議を醸しているアーティストのひとりである。
バンクシー展より
バンクシーは謎に包まれた覆面アーティストで、世界中で起こる様々な問題に対しアート作品を通してメッセージを投げかけています。
彼はステンシル(型染め)技法を用いて、サル・ネズミ・警官・イギリス王族といったキャラクターをくり返し描いています。
ステンシル技法のおかげで警察に見つかることなく素早く制作でき、シンプルで誰もがすぐに理解できる言語を生み出すことができるのです。
バンクシー展〜天才か反逆者か〜大阪レポ
最近観たドキュメンタリー番組で、バンクシーの作品は数時間で消されてしまうものも多く入手が困難であることを知りました。
また仮に残っていたとしても、バンクシーの作品は世界中に点在していて現地まで見に行くのはなかなか難しい。
そんな貴重なバンクシーのアート作品が70点も鑑賞できる『バンクシー展』は、またとないチャンスだと思いました。
12のテーマ
- アーティスト・スタジオ
- 消費
- 政治
- 監視カメラ
- 抗議
- ゲーム・オブ・ウォー
- 世界一悪い眺め
- ディズマランド
- バンクシーVSブリストル・ミュージアム
- ラット(ネズミ)
- バンクシー・アートの生と死
- ガール・ウィズ・バルーン
『バンクシー展』では、バンクシーの作品を12のテーマに分けて展示されていました。
それぞれのテーマを思いながら作品を眺めると、少しちがった印象も見えます。
それぞれのテーマ別に少しだけご紹介します。
1. アーティスト・スタジオ
はじめのブースではバンクシーのスタジオが再現されています。
ただしバンクシーは謎の覆面アーティストなので、彼の様々な作品写真や映像からヒントを得て作られたもの。
想像をかき立てられ、ますます興味を惹かれます。
2. 消費
2004年にバンクシーは、偽紙幣100万枚を印刷してノッティングヒルのカーニバルでばらまいたらさぞ面白いだろうと考えました。
この偽紙幣は本物そっくりですが、バンクシーは「バンク・オブ・イングランド」の文字の代わりに「バンクシー・オブ・イングランド」と印刷。
もう片方の面にはチャールズ・ダーウィンの肖像画の下に「誰も信用するな」と書かれています。
これはただ単に興味深いだけではなく、後日談にも深く考えさせられました。
3. 政治
『モンキー・クイーン』は、有名な女王の像を白黒のサルの肖像と置き換えて描かれています。
背景のカラーはイギリス国旗と同じ色で、モッズの象徴でもあります。
よくTシャツなどにも描かれていますよね。
君主制をあざ笑っているという解釈なのか?
バンクシーの答えは「あなた次第」なのだそう。
4. 監視カメラ
イギリスで監視カメラに映る回数はひとり1日当たり平均300回で、カメラの設置数は2007年時点で420万台、と世界中の監視カメラの約20%だそう。
その割合に驚きますが、犯罪を摘発するために必要だとされています。
でも”監視カメラの映像で解決したのはわずか3%にすぎない”という実状に対するメッセージを紹介しています。
5. 抗議
『ラブ・イズ・イン・ジ・エア』は、バンクシー作品の中でももっとも有名なものの一つです。
バンダナで顔を隠した男性が抗議に参加している姿が描かれています。
一見、火炎瓶を投げようとしているようにも見えるが、手にしているのは花束であり、
”どんな変革も平和的な手段で達成されなくてはならない、さもなければもっと大きな暴力を引き起こすことになる”
というメッセージが込められているのだそう。
6. ゲーム・オブ・ウォー
『ナパーム』は、ミッキーマウスとロナルド・マクドナルドが少女と手を繋いでいる作品です。
少女はベトナム戦争で全身やけどを負いました。
両側にいるミッキーマウスとロナルド・マクドナルドは、米国文化と資本主義のアイコンだということです。
7. 世界一悪い眺め
これは2017年にバンクシーがパレスチナ自治区内にオープンした「ザ・ウォールド・オフ・ホテル(壁で分断されたホテル)」を再現したものです。
このタイトルはニューヨークにある「ウォルドルーフ・アストリア」の名前を皮肉ったもの。
バンクシーによるとこのホテルからは「世界一悪い眺め」が見られるとのこと。
このホテルは、イスラエル政府がパレスチナとの間に築いた分離壁のすぐ隣に建っているのです。
ちなみに、このホテルには20点以上ものバンクシーの作品が展示されていて宿泊客でなくても入館が可能なのだそうです。
一度行ってみたいけれど、少し勇気がいりそう。
8. ディズマランド
『ディズマランド』はバンクシーによって、ブリストル・ベイの海沿いの町ウェウストン・スーパー・メアに2015年期間限定で開園された施設。
バンクシーは「小さな子供たちには不向きなファミリーテーマパーク」としています。
ディズマランドのブースでは展示のほか、数分間の映像上映もあり自由に見られます。(ベンチあり)
ダークなディズニーランドという印象で、込められたメッセージを想像しました。
9. バンクシーVSブリストル・ミュージアム
こちらのブースでは、2009年にイギリス・ブリストル美術館で開催されたバンクシーの個展で実際に展示された貴重なポスターが展示されています。
この個展では100点以上の作品が公開され同年のイギリスでもっとも多くの来場者がありましたが、バンクシーの報酬はわずか1ポンドとのこと。
館長は「当館がこれまで投資した中でもっとも価値のある1ポンド」だと表現したそうです。
10. ラット(ネズミ)
バンクシーの作品では頻繁に出てくるラットのブースで、様々なラットの作品が見られました。
バンクシーは「許可を得ることなく存在している者。汚辱のなかで、ひたすら自暴自棄に生きている者。しかし、社会全体をその膝元にひれ伏させることができる者」と表現しています。
11. バンクシーアートの生と死
バンクシーのアート作品も他のストリート・アーティスト同様、ごく短命だということを表現しているブースです。
短命なのは、英国当局や競合するグラフィティグループ、嫉妬心を持つ人たちによって塗り潰されてしまうからです。
切り取って売られていく作品もあります。
いくつかの作品がどのような運命を辿ったかを知ることができます。
12. ガール・ウィズ・バルーン
最後は有名すぎるほど有名な、ハート形の風船を手放そうとしている作品『ガール・ウィズ・バルーン』です。
バンクシーはこれをさまざまな場所で描いています。
バンクシー展の画集によると、「調査結果では英国人のあいだでとくに人気が高いアート作品」なのだそう。
こんな風に、バンクシー展の入り口にも写真撮影ができるスポットがありましたよ♡
もちろんみんな写真撮影していました。
購入した物販
2,800円
出口付近に物販コーナーがありました。
物販では、バンクシーアート作品集・バンクシー関連書籍・絵はがき・クリアファイル・Tシャツ類・小物ケースなどさまざまあり賑わっていました。
夫がバンクシーアート作品集と絵はがき(220円)を購入しました。
バンクシーアート作品集にはバンクシー展の作品のほか、解説やバンクシーにまつわる出来事の年表などが日本語と英語で書かれているので、バンクシーについてじっくり知りたい方にはおすすめです。
ちなみに袋が有料だったので、エコバッグを持参すると便利です。
バンクシーは最高のアーティスト
台風の影響もなく、無事に初日に行くことができました。
興味のあったバンクシーの作品をじっくり堪能できたので、行って大正解でした。(2時間弱)
ちなみに17時以降は割引料金で1,000円でしたよ。
時間指定のチケットでしたが、予想通りわりと混んでいた印象。
バンクシーの作品に惹きつけられ、大勢の人が興味深そうに静かに写真を撮るという不思議な空気感がありました。
バンクシー展では、イヤホンで解説を聞きながらアート作品を鑑賞することができます。
見逃しがなくてそれも良さそう。
わたしはまずは見て直感を体験したかったので、帰宅してから解説を聞きました。
そうすると二度楽しめたような気がします。
わたしがバンクシー展を鑑賞して1番感じたのは、「バンクシーはセンスが良くて素敵」ということ。
もちろんメッセージあるアート作品だということはわかりますが、なにせどれもオシャレです。
だからバンクシーは最高のアーティストだと思いました。
ではまた。