こんにちは、ハイマメです☺︎
本屋で一目見て読みたくなったのに、いざ開くまでには時間がかかった一冊でした。
最初からストーリーが重いことが分かっていたからかもしれません。
でもわたしの場合こういう作品はいつも読んだあと「もっと早く読むべきだった」と後悔するのを学んでいたので、いつもよりは早めに手にとることができました。
結果やっぱり早く読んでよかった。
今年はまだあと5ヶ月も残っているというのに、今年一番良いと感じた作品でした。
いや近年で一番かも。
ディーリア・オーエンズ『ザリガニの鳴くところ』
著者であるディーリア・オーエンズはジョージア州出身の動物学者・小説家で、これまでにも世界的ベストセラーとなったノンフィクション作品などがあります。
けれど小説のジャンルでは69歳で執筆した本作が初めての作品で、2019年ニューヨークタイムズ・フィクションで450万部を超える大ベストセラーとしてアメリカで1番売れた本になりました。(2020年7月現在もベストセラーにランクイン継続中)
1969年、ノースカロライナ州の湿地でチェイス・アンドルーズの死体が発見された。高校時代は村一番のアメフト選手で人気者だった彼を一体誰が殺したのだろうか。
疑いの目を向けられた”湿地の少女”カイアは、幼いころ家族に置き去りにされて以来たった一人で生きていた。
話しかける相手はカモメしかいない。
けれど食料品店を営む黒人夫婦のジャンピンとメイブル、読み書きを教えてくれるテイトだけはカイアの境遇に胸を痛めやさしい手を差しのべてくれた。
あるとき裕福な青年チェイスは湿地で一人静かに暮らすカイアに気づき、やがて・・・二人の距離が近づくにつれ物語が絡まりはじめる。
一体チェイスを殺したのは誰なのか?
そしておわりには衝撃の結末が。
洋書の原本と似ている装丁が気に入りました。
ぼんやり絵をながめているとカイアの住む景色が浮かんできます。
むかし旅行したフロリダ州にあるエバーグレーズとはちがった湿地原です。
カイアが途中何度もそうであったように、全編を通して時々引用される詩がわたしの心も落ちつかせてくれました。
とても哀しいものばかりだったけど。
心の内で様々な人のコメントにも影響されながら読み進めました。
”祈るようによんでいた”という意見には、大いに共感しました。
途中何度も、”どうしてこんなことが・・・”と思わずにはいられない、哀しくて悲惨なことばかりです。
”おわりのページを破って燃やしたい”という意見は最初から最後まで意識してしまい、最後のページにはなにが書かれているのかとても気になりました。
同時にこれ以上悲惨なことが待っているかもしれないと思うと、知りたいのに読むのをためらう気持ちにも。
確かに最後のページにたどり着いたとき、それまで流していた涙が一気に吹き飛ぶような衝撃がありました。
でも読み終えてわたしが感じたのは少しちがうものでした。
カイアの強くてやさしい生き方。
生物学的には正しいともまちがっているとも言えない生き方。
”自分の思うように生きる”その全てに感心させられました。
わたしもカイアのように、生きるもの全てにまっすぐ対峙しなければいけない。
ではまた!